19/2/2016
バングラデシュやインドやパキスタンなどで、リクシャーやトラックのペイントや思い思いのデコレーションを見たりすると、時にその乗り物がそのドライバーそのものとでも言えるような凄みをおびてるものがある。ステッカーやペイント、花や神様のイコン、天井やシートにカラフルなプリント柄やパッチワーク。まるで神殿のように飾り立てて、可愛くて美しい。そしてぼったくってくる。
かと思えば、世界遺産の寺院の中で、神様の前で寝そべって、タバコを吸ったり音楽聴いたり色々食べたりしてて、ひんやりした石の上でガイドやポストカード売りや守衛が団欒したりチルしたりしてる。中に入ると、あ?って感じでのそのそ動きはじめる。そしてぼったくってくる。
毎年お祭りの時期になると、家の外壁や部屋の壁の色を塗り替える。暑い時期が多いからブルーのいろんなグラデーション、黄色やピンクやグレーがかったパープル、濃いオレンジに緑、えんじ色にサフラン色、何か貼られて剥がされてその上にまた塗られた白。色んな絵や柄を描いたりもする。ヒンドゥーの神様の写真も映画のポスターも貼られては剥がされてまた貼られて壁が何重にもなっている。そんなクレイジーな街並みの配色を眺めるだけでも心が躍る。

十代の頃に初めての海外旅行でインドに行ってから、それから何度もいろんな場所へ行った。
荷物の中にいつもショールや布をいれていた。寝台列車で寝る時にシーツ代わりに、バスの中で窓から吹き込むすきま風をよけて肩にまとい、ビーチで砂浜に敷いて、何回も着てる同じ服を違って見せるのに首に巻き、嫌なことがあった時、頭からすっぽりかぶったら、家の押し入れで泣いてる気分になれる。そして荷物ぜんぶまとめてぜんぶ包んで出かけることだってできる。
ショール一枚で、そこに自分だけのスペースができる。どこにいても自分の世界を持ち歩いてる気分になれる。この安心感。
思えば服だってそうなんだろうけど、身体の上に着てるけど、それは限りなく自分の延長で、それぞれの存在の表現でもある。ショールや大きな布は、それよりもっと結界みたいな雰囲気もある。寒さや暑さから守ってくれる。バッグの中に乗り物みたいに自分の魔法のじゅうたんをいれてどこでも行ける。