06/10/2016   /  Diary

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パティ・スミスがフィリップ・グラスの伴奏でアレン・ギンズバーグの詩を朗読するっていうコンサートを見に行った。もう70歳なんだって。言葉の力に恍惚となった。言葉はまったくの馬のクソだと、昔どこかの革命家みたいな人が言っていたけど、やっぱり言葉には力がある。世界を変える力が、誰かを一瞬で変える力が。伝えたいこと、伝えきれないこと、言ってはいけないこと、それでも言いたいこと、言わなければいけないこと、そんな言葉たちの海の中に私たちは漂っている。外国語を使う方が自分の思いをダイレクトに伝えられたりして、言葉は不思議だ。そしてそれがメロディーに乗ったら最強だ。世界中のあらゆる場所がコンサートみたいに見える。十代の時に買ったギンズバーグの詩集は何度も読んだ。天使の頭を持った裸のスター。インドのデリーで、街中を真っ裸の男の子がまるで三揃いのスーツでも着てるかのように威厳を持って雄大に歩いているのを見た。世界は不思議な場所だ。街の灯り、ネオン、何度も貼られて剥がされたフライヤー。寝転がっている犬が起き出して吠えて、他の犬も次々に起き出して集まってどこかにけんかに出かけていく。チャイ屋にたまる男たちがぼうっとそれを見ている。そぞろ歩きの夕暮れ。少し暑さもやわらいで人々が何をするのでもなく、そのへんを流してる。人との縁は、たった一瞬のことかもしれない。杭のように一瞬心に刻まれてそしてただその心のつながりの深さだけにもう満足したりして。根本から裏返しまでオールオッケーでもうどうでもよくなってしまうような。ただ愛に満ちた何も生産的じゃない時間。ただ今とここに愛と存在がある。ふたつの魂の存在。それだけでは足りなくて、マインドが新たな未来を創り出そうとする。悲しげな瞳、すべてを語る手の形。ここにもあそこにもいる心。着飾った若者たちやドレスアップしてプロっぽい女たちがたくさんいるインドのカルカッタにあるライブハウスで、酒飲んでふざけて踊って、どうでもいい曲を陶酔に変えてどんどん盛り上がっていく夜が楽しかった。帰りの車で吐いた。インスピレーションの光。自分が空っぽになってどこにもいなくなる。いつかは私たちみんないなくなる。美しいもの、もっといっぱい見たい。聴きたい。匂いたいし触れたい。そしてそれをうまく伝えられるような才能が私もほしい。